2021年08月30日

五人坊主だより 2021年9月号

8月前半は猛暑、10日過ぎからは一転して梅雨のような天気。お盆前後は大雨。お盆のころに大雨というのはこれまで経験がありません。大雨の直接の被害としては、畑のなかに川ができて作土が流れてしまったところが一部あったくらいです。ただ、圃場が浸水した影響で成育が著しく悪化した野菜もいくつかありました、ズッキーニ、オクラ、ミニトマトなど。近年は8-9月の少雨傾向が著しかったので、乾燥対策を色々と進めていました。正反対の天候となったわけですが、今後も想定を超えるような天候不順が予想されます。野菜つくりもそれにある程度対応できるよう工夫が要されます。

天気が回復してからは再び暑い日が続いています。それでも、朝夕は涼しく、吹く風にはいくらか秋の気配を感じます。お盆前後の長雨も悪いことばかりではなく、例年種まき後の水やりが追い付かず発芽の良くない人参、今年はよく芽が出ています。秋冬の野菜はこれからが勝負です、猛暑や長雨の分を挽回するべく、しっかり採れるよう準備をすすめていきたいです。

<野菜の状況>

夏野菜は猛暑・長雨の影響でいま一つのものが多いです。ここへきて回復してきているものもありますが、トマト、ミニトマト、オクラ、ズッキーニ、キュウリなどは当面少なくなってしまいます。

キャベツ、大根などの秋冬野菜は来月の中旬以降から収穫予定です。それまでは夏野菜になんとか頑張ってもらうよう手入れをしていきます。

ベビーリーフ 日照不足で成育が思わしくなかったですが、少しずつ回復しています。
小松菜
ミニチンゲン菜
小松菜はよくできています。ミニ青梗菜は注文に対して若干不足気味です。
水菜、赤茎水菜
赤からし水菜
日照不足の影響で収穫量は少なくなっています。徐々に回復してくる予定です。
ほうれん草
赤軸ほうれん草
こちらも8月中旬以降成育が思わしくなかったです。普通のほうれん草は回復してきています。赤軸ほうれん草は今月は少ないです。
ルッコラ
ワサビ菜
わさび菜は日照不足で病気がまん延してしまいました。徐々に良くなってきています。
ラディッシュ 成育は悪くないですがやや不足状態が続いています。
リーフレタス ハンサムレタス、パリレタス、サニーレタス、いずれも収穫量は少なめですが、徐々に採れてきています。
キャベツ 次のが採れてくるのは10月中旬以降の予定です
トマト 猛暑の影響で実があまりついていません。回復してくるのは中旬以降ですが、全体に量も少ない予想です。
ミニトマト 上旬は少ないです。中旬以降増えてくる予想。10月まで頑張ります。
ナス 今のところよく採れています。フィレンツェと水ナスはあまり採れていません。
キュウリ 長雨の影響で収量が落ちてきています。次のが採れてくるのは月の後半の予定。
茎ブロッコリー 徐々に収穫量が増えてきています。芋虫やアブラムシが出始めていますが、対策をしながら来月まで収穫していきます。
ピーマン よく採れています。長雨の時に病気が出始めましたが、今月は採れると思います。
甘長とうがらし 万願寺唐辛子はよく採れています。バナナピーマンは少な目。来月いっぱいは収穫したいです。
ズッキーニ 長雨でほぼ全滅してしまいました。次のが採れてくるのは20日ころからになってしまいそうです。
人参 春作分はほぼ終了です。秋作分がとれてくるのは10月中旬からの予定です。
オクラ 長雨で病気がでてしまい、収穫量が伸び悩んでいます。回復傾向ですので、収穫量は徐々に増えてくると思います。
トウモロコシ 例年に比べて良品が採れたように思います。が、今期分は終了しました。
枝豆 猛暑のせいか前倒しで採れて、8月中に終わってしまいました。好評でしたので、来年はもう少し長期間出荷します。
かぼちゃ 普通のもの、ロロン(ラグビーボール型)、坊ちゃんかぼちゃ、バターナッツがあります。
玉ねぎ たくさんありますのでご注文下さい。
ジャガイモ 男爵、きたあかり、十勝こがね、北海こがね、シャドウクイーン、ノーザンルビーがあります。シャドウクイーンは少な目、他のものは今のところ十分ありますのでご注文ください。
その他葉物 レッドアマランサスが採れています。深い赤色がサラダのアクセントに!暑さにはめっぽう強いです。
ビーツ 赤は終了しました。秋作は10月中旬から採れてくると思います。
伊那谷味噌 村内の方から手作り味噌を仕入れて販売しています。

8月いっぱいで、5年間農園で働いてくれていたスタッフの1名が退職しました。退職後は、同じ中川村内の農園、こちらも大島農園で経験を積んで独立した者がやっているのですが、そちらで働くことになっています。退職するとはいえ、村内で農業を続けていってくれることはありがたく思っています。一方で、経験を積んだ戦力が抜けることは少なからず痛手であります。

この10月に最低賃金が全国一律に引き上げられることが決まりました。ずいぶんもめたようですが、このコロナ禍のなかよく決定したものだと思います。私は、最低賃金はどんどん上げていかなければならないと考えています。一方で、農園の現状を考えれば今のペースで上がっていくのに対応するのは容易でないのも事実です。

天候不順等もあり、なかなか大変だな、というのが正直なところ。一方で、ベテランスタッフが一人抜けたことで、“自分たちがもう少ししっかりしなければ”と、若手スタッフたちが以前より積極的にやっている姿勢がみうけられるようになりました。これはうれしいことです。

最低賃金に追い立てられるまでもなく、理想の農園像を描き、示し、それへ到る具体的な道筋を提示し、一つずつ実行・実現し続けていく、農園としてさらに先へ進んでいけるようスタッフともども頑張っていきます。


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