8月も暑かったです。少雨傾向も相変わらずで、秋作の準備は苦戦しています。
栽培期間の長いトマト、ナス、ピーマン、オクラなどは潅水設備を整備してあるので何とかなっています。電源不要で太陽光発電のみでポンプを稼働させる自動潅水装置、比較的安価で外部電源はいらないし、発電量=日射量に応じて潅水量が自動で調整されるという優れもので、農園では年々台数が増えています。潅水量の少ない点滴潅水用なので、露地での使用には限界がありますが、こういう装置も使用しながら少雨への対策を行っています。
10月より野菜の販売価格を8%値上げいたします。資材価格、燃料費、人件費など経費の値上がり、天候不順による減収、また天候不順への対策費用などが主な理由です。
昨年に引き続きの値上げで大変申し訳ありません。価格にふさわしい内容(品質、安定出荷)となるよう今後も努めて参ります。引き続きよろしくお願いいたします。
<野菜の成育状況>
例年お盆を過ぎると夏野菜は元気がなくなってきて収穫量が落ちてきます。今年は潅水・追肥をこまめにすることでいつもよりはよく採れているように思います。9月は夏野菜の収穫量が落ちてくる一方で、秋冬野菜はまだ採れてこない、ということでいつも苦労します。夏野菜の状態を維持しながら、秋冬野菜の準備をやや前倒しすることで何とかしのごうと頑張っています。
ベビーリーフ | 収穫量は落ちてきています。気温が落ち着いてくれば増収の予定です。 |
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小松菜 ミニチンゲン菜 |
高温、虫の害などの影響で収穫量が落ちています。中旬以降は回復してくる予定です |
水菜、赤茎水菜 赤からし水菜 |
高温で状態が悪いものが多く、出荷量は少なくなっています。中旬以降は状態、量ともに回復してくる予定です。 |
ほうれん草 | こちらも高温とアブラムシで良いものが採れていません。中旬以降回復予定です。 |
ルッコラ ワサビ菜 |
収穫量は少ないですが採れています。徐々に増えてくる予定です。 |
ラディッシュ | 収穫量は少ないです。中旬以降回復予定です。 |
リーフレタス | 成育が遅く十分な量採れていません。今月後半からは増えてくる予定です。 |
かぼちゃ | 生食用のコリンキー、普通のカボチャ、ラグビーボール型のロロン、坊ちゃんカボチャ、バターナッツがあります。たくさんあります。 |
オクラ | 採れています。潅水、追肥をこまめにすることで今月もしっかり採れるようにしたいです。。 |
トウモロコシ | 上旬で一旦終了、後半にまた収穫する予定です。ハウス内で栽培しているので虫害はないです |
パプリカ | 赤と黄色、採れてきました。8月はアブラムシの影響等あり良いものがあまり採れませんでしたが、状態は良くなってきています。 |
きゅうり | 2回目定植分が採れてきました。今月はしっかり出荷していけるはずです。 |
トマト | 暑いと実の付きが悪くなります。お盆過ぎは収穫量が少なくなってしまいますが、株が弱らないように管理してまた収穫量が増えるように面倒を見ています。 |
ミニトマト | 赤と黄の2種類、今のところよく採れています。 |
なす | 病気が出ていますが持ちこたえています。霜が降りるまで出荷していけるよう世話をしていきます。 |
ピーマン | 8月は収穫量が落ちてしまいましたが回復してきました。当面しっかりとれそうです。 |
甘長とうがらし | 万願寺唐辛子とバナナピーマンがあります。当面しっかり収穫できそうです。 |
ズッキーニ | 2回目定植分がとれてきました。雨が少ないので収穫量が伸びませんが、今月は出荷していきます。 |
人参 | 秋作が採れてくるのは10月中旬以降の予定。雨が少なく発芽があまりよくないです。 |
ビーツ | 赤のみの出荷です。秋作は10月中旬以降の予定です。 |
大根 | 秋作は10月上旬から収穫予定。雨が少ないとよいものが採れないので心配です。 |
玉ねぎ | 赤玉ねぎは終了です。普通のものはたくさんあります。 |
にんにく | まだまだあります。ぜひご注文ください。 |
ジャガイモ | 男爵、きたあかり、中心に出荷しています。他のものは収穫量が少なかったので早期終了するかもしれません。 |
パセリ | パセリ、イタリアンパセリがあります。8月は暑すぎて収穫できませんでしたが中旬以降は採れそうです |
伊那谷味噌 | 村内の方から手作り味噌を仕入れて販売しています。 |
LESS IS MORE
ジェイソン・ヒッケル著『資本主義の次に来る世界』、原題が上記のもの。「少ないほうが豊か」という意味。
気候変動、生物多様性の喪失など、環境危機、生態系の崩壊が加速度的に進んでおり、ある分水嶺を超えると、それらの進行は不可逆的になる、それを食い止めるための時間的猶予はもうあまりない。じゃあどうするか。
この著者は、それらに対応するために必要なこと、その根本を「脱経済成長」としている。イノベーションによってクリーンエネルギーが増えエネルギーの使用の効率化が進んだとしても、世界経済がいまのまま成長をつづければ焼け石に水であり、永遠に続く経済成長という幻想(著者は“イデオロギー”という言葉を使っているが)から抜け出ることが第一であると。 世界が経済成長することで貧困がなくなり、平等で平和な世界になる、というのは歴史を振り返っても幻想にすぎず、資本主義社会の下では富はごく一部の富裕層に蓄積されるだけで、貧困に苦しむ人たちは資本主義以前より増える一方であると。
本書のあとがきに、経済大国アメリカよりGDPはずっと少なくても、平均寿命、その他の福利の指標がアメリカより高い国はたくさんある。そもそも経済成長は必要なのか。という著者のパートナーからの問いかけがこの本のおおもとになっていることが書かれている。その時は、著者は「いや、成長は必要だろう」と考えていたらしい。
資本主義の定義はよくわからないが、いまの世の中はmore is lessといってもいいように思う。Less is more を倫理として語ると多分に嘘っぽくなってしまうのだけれど(かつて流行った「清貧」だとか、「求めない」だとか)、方法として、やり方として、仕事や生活において現実に落としこんでいくことはやっていきたい。