2022年07月31日

五人坊主だより 2022年8月号

6月末から7月初旬にかけては猛暑、その後気温はいったん落ち着きました。適度な降雨もあり、猛暑で一時弱ってしまった夏野菜も復調しておおむね順調に育っています。ただ、気温は落ち着いてきたとはいえ平年より高い日がおおく、さらに今年は湿度が高いので体にはこたえます。野菜も人も一度体調を崩すと回復に時間がかかるので、体調(樹勢)維持に気を付けてやっています。

秋冬野菜の準備が始まっています。例年真夏の育苗がうまくいかず、貧弱な苗になってしまい、畑に植えた後に傷んでしまうものが多くありました。今年は育苗方法を変えてみました。まだ成果は出ていませんが、いつものようにトライ&エラーしながら、少しずつ良くしていければと思います。

<野菜の成育状況>

夏野菜はおおむね順調です。ピーマン、ナス類はよくとれてやや売り余し気味です。トマト、キュウリは一時状態が悪く収量が落ちてしまいましたが復調してきています。枝豆、トウモロコシは順調ですが、好評につき品薄になることがおおく、欠品してしまうこともあり申し訳ありません。オクラ、かぼちゃも採れてきており、夏の野菜は当面しっかり出していけると思います。

ジャガイモは収穫前に乾燥・高温が続いたせいか、傷みが多く出てしまっています。選別に時間がかかりますが、量はあるので当面は大丈夫です。人参は小さいものが多く、収穫量が少なくなってしまいました。夏野菜が好調な一方で、根菜はやや苦戦という感じです。

 

ベビーリーフ この時期にしては採れています。収穫量はやや落ちてしまうので、欠品することもあるかもしれません。
小松菜
ミニチンゲン菜
小松菜は葉カビ病がでたりしていますが、この時期にしては採れています。ミニ青梗菜は気温が高くなってから成育が著しく悪くなったので8月はお休みいたします。9月中旬以降からまた採れてくる予定です。
水菜、赤茎水菜
赤からし水菜
この時期にしては採れています。それでも収穫量は少なくなってきているので、欠品する場合もあるかもしれません。
ほうれん草
赤軸ほうれん草
赤軸ほうれん草はお休み。ほうれん草は、真夏は成育が悪くなりがちですが、今年はまだ採れています。当面は収穫していけそうです。
ルッコラ
ワサビ菜
暑いのは苦手ですが、何とか採れています。やや不足することがあるかもしれません。
ラディッシュ 種をまく量を増やしているので、注文分は出荷できています。
リーフレタス 暑さで成育が鈍化しています。今月は品薄状態になりそうです。
キュウリ 7月は収穫量が伸びませんでしたが、8月は2回目植付分がとれてくるので当面は大丈夫です。
ズッキーニ 緑と黄いろ2種あります。2回目植付分が採れてくるので、当面はいけると思います。
コリンキー 生食用の黄色いかぼちゃ。サラダの彩、浅漬け・酢漬けなどにするとよいです。
トマト 採れています。一部病気が発生。病気が広がらないように対応しつつ、収穫を進めて行きます。
ミニトマト 赤丸、オレンジ丸、グリーンの3種です。
ナス 普通のナス、水ナス、イタリアンナスの3種。普通のナス、水ナス、イタリアンナスがあります。たくさん採れているので是非ご注文ください。
ピーマン、甘長とうがらし ピーマン、バナナピーマン、万願寺唐辛子を作っています。猛烈な暑さのハウスの中でもよく育っています。管理作業が追い付いていないですが収穫はしていきます。
パプリカ アブラムシの害をしっかり受けて成育が遅れていました。ようやく回復してきているので、8月中旬頃から採れてくると思います。
枝豆 順調に採れています。今月はしっかり出荷していく予定です。
トウモロコシ 好評につき品薄状態です。ご注文いただいてもない場合があります。ご了承ください。
人参 普通のもの、黄色、白、紫人参、ミニ人参が採れています。少雨のため全般に小さく、収穫量も少なくなってしまいました。
かぶ 春作終了です。秋作は10月から出荷予定です。
大根 露地のものが採れています。7月上旬まで収穫していきます。紅大根も採れています。
玉ねぎ 年内はしっかり出荷できると思います。赤タマネギもたくさんあります。
ニンニク 昨年よりたくさんとれました。年内はしっかり出していけると思います。
ジャガイモ 男爵、きたあかり、ノーザンルビー、シャドウクイーン、十勝こがね、北海こがねがあります。まとめての販売もできますのでたくさんご注文してくだい。
ハーブ類 バジル、オオバをこれから植えていきます。お盆過ぎから出荷予定です。
ビーツ 赤、黄、縞3種あります。当面は出荷していけるはずです。
伊那谷味噌 村内の方から手作り味噌を仕入れて販売しています。

“ない仕事”、“ない場所”を作る

  1. 『ない仕事の作り方』(みうらじゅん)という本があります、知っている方もおられると思いますが、自らのマニアックな趣味(仏像、ガラクタ収集、写経など)を仕事にしてしまっている変人です。「そんなの趣味であって仕事にはならない」ということを仕事する、仕事にしてしまう。最近ではユーチューバーなどが典型ですが、遊びや趣味と仕事との境界が以前とは変わってきています。
  2. 大学1年生の時に受けていた教養部の講義で、社会科学の先生いわく「“農業”はなくなる、“農”は残る」。それから30年弱、その命題について常に自分なりに考えてきました。明確な答えが出たわけではないものの、自分なりの答えを少しずつ形にしてきたといえます。昨今の日本の“農業”は、機械、高機能施設(AI)、外国人が担っており、今後は一層そうなっていくでしょう。それはそれで必然であり重要なことであるとして、自分がやりたいことはそれとは違うな、目指すべきは“農”の方だなと。
  3. 人と話していると、だれでも世の中もっとこうなったらいいのに、というものを持っている、けれど、実際そうはならない。法、制度、慣習(社会)のようなものはそうそう変わらない。「自分はそうじゃないほうがいいから」ということでそこ(法、制度、社会慣習)からはみ出すと痛い目に合う。だから痛い目に合わないように多少のことは目をつむって生きていく。私がいる数十件の小さな地区の活動であっても、不合理に思える小さな慣習一つ変えるのだって、恐ろしく労力がかかる。そんなことに労力を使うくらいだったら黙って流してしまったほうがいい。ましてや関わる人が多く、利害がからんでくる大きな案件ともなれば、変革に必要な労力たるや空恐ろしい・・・

1+2+3=“ない仕事” “ない場所”をつくる。

内発的なものと外的環境とをより快適にしたい。自分と同じような感覚・想いを持つ人たちと協働できる場所をつくりたい。農業から農へ、これからの取り組みを概念化するとこういうことかなと。どっちにしても空恐ろしい労力を要するんでしょうが、どうせならやりたいようにやったほうがいいなと。


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