2022年03月01日

五人坊主だより 2022年3月号

1月に引き続き、2月も寒い日が多かったです。それでも中旬くらいからは日差しが日に日に強くなってきているのが感じられ、ハウスの葉物野菜は成育が良くなってきました。露地の畑は雪がまだところどころに残っているような感じで、春作の準備も遅れています。今月からは一気に気温が上がってくるようなので、作業のペースを上げていきたいと思います。

コロナウイルスの終息をみない感染状況、ロシアのウクライナへの侵攻といったことに対して、「20世紀に人類が克服していたと思っていた感染症と戦争というものが21世紀になっても克服されていないことが明らかになった」といわれています。この先も世界情勢は不透明・不安定そうです。自分たちは足元でやれることをやっていくしかないと考えます。

大局的には暗い雰囲気のなか、我が家では先月から子猫が1匹が家族に加わっています、名前は「マルゴ」。事前情報で雌だと聞いていたので、今年たまたま読んだウクライナ出身の作家ブルガーコフの小説『巨匠とマルガリータ』のマルガリータの略称からつけました。しかし来てみたら、雄じゃないか!と。「マルオ」にでもしようかと思いましたが、フィギュアスケートのザギトワ選手の犬は雌なのに「マサル」だし、まあいいかということでそのままになっています。

<野菜の状況>

ハウスの葉物野菜はようやく成育が早くなってきました。一部回復が遅れていますが、おおくのものは今月はしっかり収穫・出荷できそうです。昨年中に収穫した根菜も在庫が少なくなってきました。人参類は比較的たくさんありますが、ジャガイモ、サツマイモ、ビーツ、大根などは今月途中で終了するものが出てきそうです。

今月中旬からは野沢菜などの菜花が採れてくる予定です。キャベツやブロッコリーは今月中には間に合わないかもしれません。

ベビーリーフ 復調してきました。当面は安定して採れると思います
小松菜
ミニチンゲン菜
いずれも寒さで傷みがでていました。ミニ青梗菜は不足気味。中旬以降はしっかり採れてくると思いますが、それまではやや不足気味です
水菜、赤茎水菜
赤からし水菜
赤からし水菜は復調してきました。水菜も少しずつ収穫量が増えています。赤茎水菜は中旬までほとんど収穫できそうにありません。
ほうれん草
赤軸ほうれん草
縮みほうれん草はほぼ終了です。ほうれん草、赤茎ほうれん草ともに成育は順調で収穫量は増えてきます。
ルッコラ
ワサビ菜
いずれも成育は良くなってきています。わさび菜はしばらく少なかったですが増えてきています
ラディッシュ 徐々に増えてくる予定です
リーフレタス 収穫量は増えてくる予定です。しっかり出していきます
キャベツ ハウスのものが採れてくるのは今月末か来月の予定です。
ブロッコリー ハウスのものはほぼ終了です。春作分をこれから植え付けていきます。
茎ブロッコリー 収穫量は少ないですが、気温が上がってくるのとともに収穫量は増えてくると思います。
春菊 サラダ春菊は採れていますが、収穫量は少ないです。
オータムポエム 昨年はよく採れましたが今年は今一つ。状態が悪く収穫量は少ないです。
プチベール 中旬になると花が咲いてしまうので、それまでに出していきます。
芽キャベツ こちらも中旬までの予定です。小さめのものが多くなります。
人参 普通の人参、黄、紫、白、金時などがあります。在庫はまだあるので今月は出していけると思います。
アレッタ カーボロネロと茎ブロッコリーの間のような野菜です。量は多くないですが今月収穫していきます
かぶ 普通のもの、あやめかぶが採れています。ハウス内に畑ネズミが住み着いてしまい食害が出ています
大根 普通の大根、紫大根は在庫が少なくなってきました。在庫がなくなり次第一時終了します。
サツマイモ シルクスイート、パープルスイート、傷みが出てきています。今月中旬までは出していけると思います。
里芋 在庫は少なくなってきました。今月いっぱいはないかもしれません。
玉ねぎ 新玉ねぎは5月中旬くらいから採っていく予定です。にんにくは6月からの予定。
ジャガイモ 残り少ないです。今期分は4月上旬植付、6月末から収穫予定です
長ネギ 長ネギ、なべちゃんねぎ、松本一本、下仁田、リーキがあります。寒さで傷みが多くなっています。3月中旬になるとねぎ坊主ができてくるので、それまでには採ってしまう予定です
ビーツ 残り少ないです。在庫がなくなり次第終了します。
イタリアンパセリ ハウスの隅に植えてあったものが採れています。
伊那谷味噌 村内の方から手作り味噌を仕入れて販売しています。

農園は2月が期末で、3月からは新年度になります。昨年は夏期の天候不順で苦戦したものの、後半頑張ったおかげで何とかなりました。今期は、先に書いたような世界情勢に不透明感がある一方で、自身の体の不調(左肩から指先の痛みとしびれ、左股関節痛)、父の不調(認知症、腕と足痛)が重なり、様々な意味でこれまでのやり方ではやっていけないだろうな、という不安だらけのスタートです。

これまでも不安のなかったことなどなく、学生の頃はあるイベントに関わったことで100万くらいの借金を負いそうになったり、休学して海外の大学へ研究をしに行ったは良いものの、行った先の先生に「英語もろくにできないのに来られても困る」的な対等されたり、農園を始めてからも2名いるスタッフのいずれもがシーズン途中でやめてしまったり、月単位で200万くらい運転資金がショートしたりといろいろありましたが何とかなってきました。「これはヤバイな」という状況にあっても何をするべきかを考え、やれることをひとつづつやっていけばなんとかなる、というあてにならない経験則に基づいて今期もやっていきます。

今から100年ほど前に、イギリスから南極探検へ出かけた「エンデュアランス号」の実話について書かれた本を最近読みました。南極海で氷に閉じ込められ、母船は沈没。氷塊に乗って漂流後、数メートルの救命ボート3隻で乗組員28名はなんとか南極大陸に近い離島にたどり着いたものの、通信手段のない時代。人が暮らす最短の島までは1500km以上あり、日常的に荒れている南極海を渡っていかないとたどり着けない。さあどうするかー 人間ここまでできるんだ、という一つの記録でした。“史上最強のリーダー”シャクルトン船長は47歳でなくなっています。

 


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