五人坊主だより　2021年5月号

以前はゴールデンウイーク頃が最盛期であった山菜は、４月の半ばから採れるようになりました、10年前にくらべても２週間ほど早くなっているように感じます。トマト、ナスの植付なども以前は５月に入ってからやっていましたが、だんだん前倒しになってきていて、今年は４月中に大半を植え終わっています。ただ、５月上旬までは晩霜の心配があります。過去にも油断していて晩霜の害にあったことが何度もあるのでまだまだ気を付けないといけません。朝は霜が降りるような畑で収穫、昼は30℃を超えるハウスの中で作業と、毎日30℃くらいの寒暖差があります。野菜も人も鍛えられます。

ハウスの多くは排水のよい畑に建っていますが、もともと水田であったところに建てたハウスもあります。水田であったところは、ハウスの周囲に溝を掘るなどして排水対策をしてはいるものの、どうも十分ではなく、雨が降ると半分ほどが浸水するようなハウスも何棟かありました。栽培する品目を変えるなどいろいろと対策をしましたが、そんなハウスは何を作ってもうまく育ちません。うまくいかないとわかっていながらやり続けるようなことをしていてはいけない、ということで、今年は思い切って高畝栽培に切り替えることにしました。

水田に使う”あぜ板”を使って、ハウスの中に40㎝～50㎝くらいの高畝を作るという作業を４月はひたすらやりました。連日握力がなくなるまで杭をうってあぜ板を固定し、ようやく成績の悪いハウス４棟で作業が完了しました。高畝の不耕起栽培のメリットは、排水が良くなる、畝が高いことで前傾姿勢での作業が楽になる、不耕起にすることでその都度トラクターで耕うんしなくてよくなる、といったことがあります、一石三鳥！？　一方で、トラクターで耕すことができないので、スギナや芝系の多年生の雑草がはびこりだすと手に負えなくなる、キュウリやトマトなど棚を作って栽培するものは逆に作業しづらくなる、といった課題も考えられます。ハウス４棟やってしまったからには成果を出せるようにできることはやっていきます、ご期待ください！

＜今出荷している野菜の様子＞

例年よりかなり早くハウスのエンドウが採れだしました。潅水設備の不良（目詰まり）で何割か成育不良になりましたが復調してきています。ハウスの大根、キャベツなどは順調に採れています。露地栽培のものへスムーズに移行していけるのではないかと思います。

露地野菜の種まき・定植は順調に進んでいます。キャベツ、ブロッコリーなど早いものは今月の中旬くらいから採れてくると思います。夏野菜は例年より早めに準備をして植付を始めています。晩霜への対策をしつつ、６月中旬ころから夏野菜を出していけるように準備を進めて行きます。

玉ねぎも前倒しで今月中旬から採っていく予定です。一部トウ立ちしてしまったものは早めに収穫して出荷していきます。