2020年08月01日

五人坊主だより 2020年8月号

8月になるというのに、いまだ梅雨明けになっていません。1か月半くらい、日照はすくなく、雨また雨というかんじでした。ここで就農してから最長の梅雨です。野菜は成育不良で収量減、味がのらない、傷みやすいといったものが多数出ています。お客さん方には大変ご迷惑をおかけしております。そんな中にあっても、大雨による直接的な被害は軽微でしたし、7月末から日照時間が少しずつ増えてきたこともあり、野菜は全般に回復傾向にあります。夏野菜は出遅れたものがありますが、これから量も増え味もよくなってくると思います。

長雨による作業の遅れを取り戻すべく作業を進めて行きます。梅雨が明けると今度は猛暑が・・・という感じです。世間では新型ウイルスの第2派が広がっているという状況でもあります。こういう難しい時期というのはどうしてもあります。できることを一つずつやっていくしかありません。

<今出荷している野菜の様子>

7月は野菜全般大苦戦でした。夏野菜はようやく回復してきました。大幅に出遅れたオクラ、なすも採れてきています。葉物野菜も成育が回復してきています。リーフレタスなど収量の回復に時間がかかるものがありますが、徐々に増えてくると思います。

秋冬野菜の植付は圃場の準備が遅れて遅れ気味です。雨の合間をぬってできることはやってきたので、大幅な減収は避けられると思います。8、9月は夏野菜をしっかり出荷して、10月以降はキャベツ、ブロッコリー、大根、ネギなどの秋・冬野菜を出荷していけるようペースを上げて準備していきます。

ベビーリーフ 当面はしっかり出荷していきます。気温が上がりすぎると成育が悪くなる恐れがあります。
小松菜
ミニチンゲン菜
小松菜は順調です。ミニ青梗菜は不足する場合があります。
水菜、赤茎水菜
赤からし水菜
採れてきています。真夏は苦手ですがなんとか乗り切りたいです。
ほうれん草
赤軸ほうれん草
ほうれん草はしっかり採れています。赤軸ほうれん草は少なくなります。
ルッコラ
ワサビ菜
梅雨のあいだは傷みやすかったです。今後は幾分よくなると思います。
ラディッシュ やや不足気味です。真夏は成育が悪くなりやすいので、収量は少なくなるかもしれません
リーフレタス ハンサムレタス、パリレタス、サニーレタス、全般に不足気味です。
レッドアマランサス 深紅の葉っぱが特徴の葉野菜。暑さには強いです。ベビーリーフにも入れています。
トマト 7月はやや大味で傷みやすかったように思います。味は良くなってきつつあります。
ミニトマト こちらも7月は大味で傷みやすかったです。収量は減りますが状態(味、日持ち)は良くなってくると思います。
ナス 畑が水没して成育が止まっていました。ここへきてようやく元気になってきました。
ピーマン 7月はいま一つでした。ここへきて採れてきています。今後も順調に採れると思います。
パプリカ 採れ始めました。赤、黄があります。量は少ないですが当面出荷していきます。
甘長唐辛子 状態は良くなってきました。収量も上がってきています。
キュウリ 味はいいです。いまのところ採れています。しっかり出荷していきたいです。
オクラ 畑が水没して実がつかない時期が続きました。ここへきてよくなってきています。
トウモロコシ 日照不足と排水不良で成育が悪いところへ獣害などもあって大幅な収量減となってしまいました。徐々に状態はよくなってくると思います。
枝豆 採れています。やや実入りの悪いものなどありますが、味は良くなってきました。
インゲン 採れたり採れなかったり、といった感じでした。量は少ないですが当面出荷していきます。
カボチャ 坊ちゃん、ラグビーボール型のロロン、普通のカボチャ、バターナッツがあります。今月から出荷していきます。長雨の影響で収量は予定よりかなり少なくなってしまいそうです。
大根、色大根 採れています。色大根は紅大根のみです。
人参 長雨で収量は大幅減。状態もあまりよくなく、傷みやすいです。
玉ねぎ やや小ぶりのもの中心です。当面は出荷していけます。
ニンニク やや小ぶりですが年内は十分出荷していけると思います。
ビーツ 春作のものが採れてきました。赤、黄、縞の3種があります。
伊那谷味噌 村内の方から手作り味噌を仕入れて販売しています。味よし!

コロナの時代の『風の谷のナウシカ』

先日知人のところへ行くと「“こういうマスクをしないとコロナウイルスは防げない”と知り合いがマスクをくれた」と言って、ナウシカが腐海でつけているようなマスクをしていたことがあって笑ってしまった。半年まえまでは、日常生活でマスクをつけるのが当たり前のような状況になるとは思ってもみなかった。

コミック版『風の谷のナウシカ』はボリュームがあるうえ、ストーリーは複雑。映画とはだいぶ違う。環境問題・現代文明の課題をメタファーとして描く問題作のようにいわれることがあるが、私にとって、漫画『ナウシカ』は、地獄における身の処し方の書という印象が強い。

飢餓があるわけではない、戦争があるわけでもない、圧政に苦しめられているわけでもない現代の日本であっても、地獄は日常の一部として常にある。事故、病気、天災、人間関係などによって、日常が一瞬にして地獄に・・・なんてことも珍しくない。常に地獄のふちを歩いているともいえるわが農園の経営においても、新型ウイルスや天候不順はじわじわと影響しているし、こういう時には他の難題もかぶさってくるもの・・・

『ナウシカ』に登場する人物はみな魅力的だ。夢も希望もないような状況においても気丈にふるまう姿にはいつも心打たれる。ニヒリズムと紙一重のところでかろうじて生に踏みとどまっている。生命のもつ本来的な健気さ、すべてを否定してもそれは本当なんじゃないかという作者の思想は、解決の糸口が見つからないような状況のなかにあって一筋の光明に思える。


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