五人坊主だより　2025年4月号

新年度です、農園は開園から21年目に入ります。20年よくやってきました、周囲の方々の支えがあっての20年だったと、つくづく感じます。

この地で就農するにあたり、北海道の農業法人で１年、四国の農業法人で４年研修をしました、それぞれの法人を去るにあたり、「ここで研修をした誰よりも多くのことを学ばせてもらった」ということを伝えてきました、主観であるから何とでもいえるとは言え、本心からの想いでした。それぞれの法人において、野菜栽培の技術的なことを学んだ、ということよりも、有機栽培をするということ、やり続けるということ、その根っこにあるものを学ばせてもらったということです。

経営学の第一人者のドラッカーは、経営する者にとって一番大切なものは「integrity（真摯さ、誠実さ）」であると言っています、それは、こうすればよい、という正解があるものではなく、常に自問自答しながら進むしかない類のものです。２０年間、ちいさな農園の経営とは言え、integrityとは何か、その難しさ、厳しさを感じ続けてきたように思います。

始めの10年は無我夢中の10年、次の10年は研究開発の10年、これからの10年は、これまでの投資・蓄積を結実させていく10年としたいと思います。野菜栽培の難しさ、経営の難しさ、大変さは主観として変わることはないと思いますが、これまでの経験、蓄積が生きてくる手ごたえは感じています。

＜野菜の成育状況＞

３月は寒暖差が激しかったです、氷点下５℃以下になったかと思えば、最高気温が20℃を超える日があったりしました。葉物野菜の管理、夏野菜の苗の管理には気を使いました。

露地野菜の植え付けも始まっています。この時期はまだ氷点下になることもあるので、キャベツやブロッコリーは植え付け後にビニールのトンネルをし、大根や人参は種まきのあとに不織布をかけてあります。資材代も手間もかかりますが、このひと手間で成育が大きく違ってくるので、そこは惜しまずしっかりとやるようにしています。