2025年01月31日

五人坊主だより 2025年2月号

畑の作業が比較的ない冬期に、あれこれやる予定でいたものが、思うように進まないうちに早くも1月が過ぎようとしています。昨シーズン分の片付けや春作の準備作業は最低限進めてはいるものの、ハウスなどの施設の修繕、圃場の整備など、野菜の栽培に直に関わることではないけれどやっておかないといけないことがなかなかできないでいます。

1月28日に埼玉県で道路に空いた穴にトラックが落ちる、という事故がありました。当初はそんなこともあるのか、という程度に思っていたのが、穴は拡大し、ガス爆発の危険があるとして近隣住民は要避難となる、なにより30日になっても運転手の方の救出さえできていないという大事になっています。下水管の老朽化による漏水が原因のようですが、おそらく日本中どこで起きてもおかしくない事故のように思います。高度経済成長期に整備した各種インフラ、橋、道路、トンネル、上下水道などが次々と老朽化してくる、政府、行政には財源がない、建設業は人がいない、というなかで、老朽化したインフラをどう維持・修繕していくのか、という問題は以前から言われていましたが、今回の事故は一つの象徴的なもののように思います。

農園も財源や人手に余裕がないと、収益に直結する仕事以外のこと、ハード面においてはハウスや圃場などのインフラ整備、ソフト面においては栽培方法の見直しや福利厚生にかかわることなど、本当はやらないといけないのだけれど緊急性が低いこと、そういったことがついつい後回しになってしまいがちです。今回の事故を見るにつけ、事がおこってしまってから対処する、ということは被害・損害が大きく復旧もより困難になります。今回の事故を他山の石として、やるべきことはやっていかないと、と感じています。

<野菜の成育状況>

1月は強い冷え込みもなく、例年より気温は高めであったように思います。ハウスの葉物野菜は、この時期にしてはよく成育しています。ただ、2月上旬の気温予想はかなり低めになっており、暖かめの気温で成育しすぎた野菜が傷んでしまわないか気がかりです。

暖かめ、とはいえ2月-4月は野菜の端境期であり、この先出荷できる野菜の種類は少なくなってしまいます。葉物野菜、根菜などやや偏りのある内容になってしまいますがご了承ください。

ベビーリーフ この時期の割には採れていますが、当面少な目です。
春菊 中葉春菊、サラダ春菊を収穫しています。2月中旬までは少ないです。
小松菜
ミニチンゲン菜
最低限採れています。2月中旬を過ぎると採れる量は増えてくる予定です。
水菜、赤茎水菜
赤からし水菜
この時期にしては採れています。先月に続き赤茎水菜は少ないです。
ほうれん草 露地ものが終わってハウスものを出荷しています。中旬まで採れる量は少ないです。縮みほうれん草はのこり少なくなりました。
ルッコラ
ワサビ菜
ルッコラは採れています。わさび菜は不足気味のまま推移しそうです。
ラディッシュ 先月同様赤はよく採れています。白は不足する場合があります。
リーフレタス 収穫量は全般に少な目です。中旬以降は増えてくる予定です。
キャベツ ハウスのみさきキャベツを出していますが残りわずかです。
ブロッコリー ハウスに植えたものが中旬以降採れてくる予定です。
長ネギ なべちゃんネギ、長ネギ、下仁田ねぎ、松本一本ねぎを収穫しています。下仁田はやや少なめ、松本一本はやや細めです。
ミニ白菜 ハウスのものを出しています。のこり少なくなりました。
プチベール アブラムシの害があり収穫量は少ないです。
オータムポエム 2重トンネルのおかげで採れています。量は多くないので不足する場合があります。
かぶ 白かぶ、あやめかぶ、黄かぶがあります。紅かぶは終了です。
大根 紅大根は作付けのミスで早々に終了してしまいました。他のもの、白、紅芯、紫、青長、黒丸はまだ大丈夫です。
さつまいも 傷みがひどくシルクスイートは終了しました。パープルスイートも残り僅かです。
かぼちゃ 昨期ぶんはほぼ終了です。
人参 人参、黄、紫、白、金時があります。人参は今のところ在庫に余裕があります。
ビーツ 赤、黄、縞があります。在庫がなくなり次第終了です。
玉ねぎ 収穫は5月後半からの予定です。苗が小さかったので冬を乗り越えられるかまだ心配です。
ニンニク 昨季分は終了しました。6月から収穫予定です。
ジャガイモ 男爵、北海コガネ、十勝コガネがまだ少量あります。シャドウクイーンは残り僅かです。きたあかり、ノーザンルビーは終了です。
ハーブ類 タイム、ローズマリーが少しあります。
トマトピューレ 280g入りで販売しています

冒頭に触れた埼玉での事故、インフラの老朽化への対応の件について、この先、生活に直結するインフラの補修・維持がままならないとどうなるのだろうと不安になることもあります。補修・維持ができない地域では、居住地区をコンパクトにまとめる、それ以外の地域に住みたいのであれば自分で何とかしてください、ということにもなってくるのかな、など。

一方で、以前アメリカで水道管の点検作業を、AIを使って合理的に行う仕組みを開発して実用化しようとしている日本人の記事を見たことがあります。生活、人命にかかわり、避けて通れない課題であれば、なおかつ世界中で必須の課題となれば、多くの人たちが何とかしようと取り組んでいるはず、従来のやり方、発想を超えるようなイノベーションが出てくるはずです。

食に関わることも、世界規模で生活・生存に関わる必須の課題が多くあります、農園ができることなどたかが知れていますが、自分なりに考えできることはやっていくしかないかなと。


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